中国越境ECにおける課題と解決策について

on 6月 2, 2022

中国越境ECに進出したいけどどのような課題があるのか、気になりますよね。中国ECは200兆円を超える巨大マーケットに成長しており、越境ECについても2019年時点で80兆円、2026年には500兆円に成長する市場ともいわれています。魅力的な規模の市場ではありますが、中国ならではの課題があるのも事実です。本記事では、中国越境ECにおける課題と解決策について解説します。具体的には、マーケティングに関する課題、税関についての課題、物流についての課題と大きく3つの課題があります。日本では考えられないような問題も頻発しておりますので、事前に対応するための準備を整えるため、越境EC進出を検討されている場合はぜひ参考にしてください。

目次

中国越境ECとは、日本企業が中国の消費者へ商品を届けるためのプラットフォームです。200兆円という巨大な中国EC市場へ進出するための架け橋となるサービスでもあります。2020年に中国が日本から越境ECを通じて購入した総額は1億9,499万円で前年比17.8%増加しており、越境ECは中国進出のためのルートの一つとして注目が集まっています。ですが、市場の規模が魅力的に見える反面、参入には課題が残ります。中国独特の商習慣に対する対策を講じる必要があるのです。次項で中国越境ECへの参入に対する課題を解説します。

1つ目の課題は、グレート・ファイアウォールの存在です。グレート・ファイアウォールとは、中国独自のネット検閲システムのことです。中国政府に対する批判や不都合な投稿を監視するためのものですが、FacebookやTwitter、YouTubeやLINEなどの国際的なSNSの利用も制限されてしまうのです。つまり、日本の販売サイトをSNSやGoogle広告で宣伝しようとしても、中国の消費者が閲覧できない状態になっているのです。また、現地で販売サイトを立ち上げたとしても、現地法人のICP登録とサイトの公開許可を取得する必要があります。

2つ目の課題は、税関の問題です。中国越境ECで日本から商品を送る際は、日本から直接消費者へ届ける直送モデルと中国内の保税倉庫から届ける保税区モデルがあり、どちらを利用するかで税率や書類が異なります。直送モデルは商品の輸送が簡易な反面税率が高く、保税区モデルは税率が優遇される反面在庫を日本へ返送する際に煩雑な手続きが必要になります。

3つ目の課題は、物流問題です。一言でいえば、配送品質が粗悪で商品の紛失や破損がどこの企業でも発生しています。予定していた配送スケジュール通りに商品が届かないのはまだ許容レベルに該当するほどです。異なる追跡番号を知らされ商品の行方が不明になってしまう、税金が適切に請求されずに関税局で商品の配送が滞ってしまうこともしばしば発生しています。

上記でご紹介した中国越境ECの課題に対する解決策を解説します。

中国広告サービスの利用

グレート・ファイアウォールに対する解決策としては、中国の各種SNSを利用することです。Weibo（中国版Twitter）、Wechat（中国版LINE）、RED（中国版Instagram）、Douyin（中国版TikTok）などが中国で人気のSNSになります。また、ICP登録が必要ない広告方法として、ミニアプリの利用がおすすめです。ミニアプリとは、SNSなどのアプリの中に掲載する自店舗アプリのことです。中国で一般的に利用されている決済サービスであるAlipayやWeChatの店舗ミニアプリを作成すれば、店舗アプリ内に掲載している商品をAlipayやWeChatでそのまま決済してもらうことが可能になります。登録やダウンロードの手続きが不要なため、ユーザーの衝動的な購入を促しやすくなるのです。

三単合一システムの利用

税関問題に対する解決策としては、三単合一システムを利用することです。日本から中国の消費者へ直接商品を届ける直送モデルでは税金が高くなってしまうのですが、三単合一システムを利用することで、保税区に倉庫や法人がなくても保税区モデルと同様の優遇税率が適用されます。三単合一とは、「注文情報」「支払い情報」「輸送情報」の3情報を連携させたシステムのことです。事前に販売商品の情報提出をすることで、よりスムーズな通関手続きを可能にします。

日本サポート企業の推奨物流サービスの利用

物流問題に対する解決策としては、日本のサポート企業が推奨する物流サービスを利用することです。現地人が運営する現地の物流企業ですので、日本と全く同じ品質の高い物流サービスとはいきませんが、日本人の商習慣を理解した物流サービスを利用することが可能になります。

愛LIFEパートナーズでは、中国越境ECを成功させるための必要な業務をワンストップでサポートいたします。

  • 中国の越境EC最大手である天猫国際（Tmall Global）への出店手続き代行
  • 商品の販売から物流のアレンジを行うブランド・マーケティング
  • 中国ECの各販売チャネルにて迅速にブランド立ち上げを行うチャネル運営
  • 中国語での問い合わせ対応やモール内外のプロモーション対応を行う顧客サービス

の計4項目をワンストップでサポートいたします。2015年の設立以来一貫して日本企業の中国EC進出をサポートしており、自社で運営する旗艦店も2021年に天猫国際メダルパートナー銀賞を受賞しました。天猫国際を中心に現在も20店舗を運営している実績と最新ノウハウを駆使してサポートさせていただきます。

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